2018年03月28日

パッヘルベルのカノン

(4/4更新)
再放送が決まりました。
【Eテレ】4月8日(日)前1:55−2:00<7日土曜深夜>


ーーーーーー
このたび「名曲アルバム+(プラス)」
から「パッヘルベルのカノン」の
「カノン構造を視覚化する」
というお題を頂き映像を作りました。

ご覧頂けばわかるように
作ったつもりですが、
予習・復習すると、より
楽しめるのではという思いから
解説ページを作ります。

「カノン」について

カノンとはwikipediaの説明によると、


“複数の声部が同じ旋律を
異なる時点からそれぞれ
開始して演奏する様式の曲”


とあります。かんたんに言うと、


“同じメロディーが少しずつずれて
重なっていく音楽のこと。
わかりやすい例としては
「かえるのがっしょう」など
輪唱もカノンの一種”

(NHK PRより)

です。

カノンのなかでも
『パッヘルベルのカノン』は、
3つの声部が全く同じ旋律を追唱する
最もわかりやすいカノンと言えます。


pac.jpg
(楽譜:同じフレーズがずれながら進む)



映像化にあたって


以下のようなルールに
基づいて作っています。


2小節ずつおくれて同じ旋律をたどる
3つのバイオリンを
3つの立方体の動きによって表現する。

RGB2.jpg


この曲は4小節を1単位として
その音形(音の高さや長さ)が変化する。
この4小節を「1ステージ」と捉える。

10th.png
(全10ステージ)


2小節の通奏低音(伴奏)+
「4小節×10ステージ」の合計42小節

(※2)


各ステージの特徴

10ある各ステージの特徴です。
パッヘルベルは明確な意図を持って
音の形を変えていると思われます。

以下は
「音の長さ/高さを表したMIDI譜」と
「各ステージ画像」の比較です。

(1)四分音符:下降する音形を階段として

s1_8840.jpg
stage_1.png

(2)八分音符:(1)の半分の長さ、2倍の速さで上下

s2_8840.jpg
stage_2.png


(3)十六分音符:(1)の四分の一の長さ、4倍速さ

s3_8840.jpg
stage_3.png


(4)ロングトーン:氷の上をすべる。音が途切れる箇所はジャンプ

s4_3453.jpg
stage_4.png


(5)最も有名なフレーズ:音の動きが最も多い箇所

s5_4144.jpg
stage_5.png


(6)間断:音符と休符の繰り返し/前後は交互に発音

s5_8840.jpg
stage_6.png

(7)セパレート:上下に分かれるフレーズ/2ルートを交互に渡る

s7_5869.jpg
stage_7.png


(8)繰り返し/同じ音が続く/上下動の少ない梯子状の道

s8_8840.jpg
stage_8.png


(9)セパレート2:(7)に似た音形/二つに分かれ滑るように進む

s9_7669.jpg
stage_9.png




(10) ロングトーン2:(4)に似た音形/ウォータースライダー

s10_8840.jpg
stage_10.png



音楽について


3つのまったく同じ旋律、ということを
認識しやすくするために
録音した1つの演奏を
コピー&ペースト
し、
音の位置を右、中央、左に完全に分ける
という通常とらない手法で
ミキシングしていただきました。

「カノン原理主義MIX」です。


先行事例について

カノンの視覚化は
ノーマン・マクラレンの
「カノン」(1964年)
がマスターピースとして存在します。

ピタゴラスイッチ「アルゴリズム体操」
も影響下にあります。

今回、立方体を使っているのは
以下リンク(39秒から)部分のオマージュという
要素もあります。

Norman Mcraren「Canon」


39秒から再生

「名曲アルバム+(プラス)」について

以下公式サイトから引用です。

クラシックやポップスなど、
世界の名曲をゆかりの地の風景映像に乗せて
5分間でお送りする「名曲アルバム」。

1976年に始まり40年以上つづくこの番組が、
「名曲アルバム+(プラス)」として
新たな映像・音楽体験を提供します。
名曲を独自の解釈と手法で映像化するのは
新進気鋭のクリエイターたち。

CGやアニメーションを駆使した
映像表現で名曲の世界を描き出します。
(NHK PRより)


放送日程

3月30日(金)[総合]前1:30〜1:45
※木曜深夜です。


急遽変更になりました!
3月31日(土)[総合]前3:10〜3:15
※金曜深夜です。




以上、誰でも知っている「名曲」(※3)ですが
あらたに角度から聴くことができたら幸いです。



おわり

以下注釈

(※1)
正確な名称は
「3つのヴァイオリンと通奏低音
のためのカノンとジーグニ長調
よりカノン」

(※2)
実際は57小節ありますが5分番組に
あわせて後半をカットしています。

(※3)
・結婚式・卒業式
・山下達郎「クリスマス・イブ」内引用
・リンナイ「お風呂がわきました」
など

ーーーーー

大西景太

音楽の構造や音の質感をアニメーションで表現する手法
を用いて映像インスタレーション作品、
ミュージックビデオなどを制作しています。

主な作品に
『Forest and Trees』(東京都現代美術館「アートと音楽」展)
『ハイスイノナサ/地下鉄の動態_』(Music Video)など
東京工科大学デザイン学部講師。
www.onishikeita.com


posted by --- at 14:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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